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減塩の賛否

減塩食について

塩
1月の記事で減塩を取り上げました。減塩の必要性
健康関連の仕事をする人たちには、『減塩』を否定する人が少なくありません。
岩塩
医療への反発なのか、関心を引くためなのかはわかりません。自然塩や岩塩などを高額で販売する業者なども多くあります。精製するとミネラルを失うとか、自然のものはミネラルが豊富とか健康に良いようなイメージで販売するのでしょうが、根拠に乏しい情報も多いです。バスソルトのように食用でないような状態のものなど見た目が珍しく安価であるものが高く売られています。

減塩のもの
また、逆に『減塩』をうたう商品にも問題がある場合があります。塩化ナトリウムの代わりに塩化カリウムを使う事で『塩みたいなもの』に置き換えているだけでこれもまた疑問があります。うま味調味料も『グルタミン酸ナトリウム』です。出汁のうま味で減塩とか言いながら顆粒だしを使ってたら意味がありません。ナトリウムの量を確認しましょう。今はナトリウムを『食塩相当量』と表記するようになりました。

減塩の方法
結論から言うと、世の中の流れは血管や内臓に負担をかけないように『減塩』が推奨されています。

摂ってはいけないという話ではないのです。それでも、気を付けるのが面倒だとか味が薄くなるとかいろんな理由をつけてなかなか正面から向き合う人も多くないようですね。

血圧
間違った情報によって『気にしていない』人たちが病気になったり不調に陥ったり、持病を悪化させたりしているだけです。加齢とともにやはり体に負担をかけるような塩分摂取は控えた方が良いでしょう。

血圧と減塩

食塩の過剰な摂取が高血圧の原因となるというのは、食塩の摂取量が少ない地域では高血圧を発症する人が少なく、加齢に伴う血圧の上昇もみられないことからも知られている事実です。

日本高血圧学会は、高血圧の予防のために、血圧が正常な人には「1日6g未満」の食塩制限を勧めています。特に糖尿病や慢性腎臓病の人には、合併症や悪化の予防としても「1日6g未満」の減塩を推奨しています。
また、最高血圧が130~139mmHg、最低血圧が85~89mmHgであると、数値としては正常値に収まっているものの、放置していると高血圧に進行しやすい「正常高値血圧」と呼ばれています。
 この血圧値の人は、より低い血圧値の人に比べると、脳卒中などの循環器疾患や腎臓病が引き起こされる危険性が高く、先ほど述べた糖尿病や慢性腎臓病などを併発している人は、血圧を下げる治療が重要です。
手術
食塩の摂り過ぎは高血圧が引き起こす疾患ばかりでなく、日本人に多い胃がんや骨粗鬆症などの原因にもなることも分かっています。

塩の摂りすぎが病気を引き起こす

夜のトイレ
大きな病気だけでなくふだんから不快な症状を引き起こす原因としても、塩が関係しています。
夜にトイレに行くために何度も目が覚めてしまう「夜間頻尿」も塩分の摂取量を減らすと改善するようです。夜間頻尿の原因のひとつは塩分の摂り過ぎだという研究が発表されています。この研究は、長崎大学病院 泌尿器科・腎移植外科の松尾朋博氏らによるもので、欧州泌尿器科学会年次集会で報告されたものです。

減塩 死亡率
また、英国でも一日あたり1.4gの塩分を意識して減らすだけで、大幅に循環器の血管病を減らせる可能性がある事がわかっています。

減塩を妨げているもの

日本は世界的に見て摂取量が多い「減塩後進国」だそうです。その原因は、調味料をはじめとする加工食品などから多くの塩分を摂取していることで、減塩商品を手がける食品メーカーは増えてますが一般には十分に普及しておらず、消費者の関心も減塩に向けられていません。
その理由は、あくまで病気を気にしている人などへの『趣向品』のような感じでしか食品業界やメディアが思っていないからでしょう。

 一方、英国では、国が旗振り役となって食品業界に対し商品の塩分削減の自主目標を設定させることに成功。2005年からの3年間で塩分摂取量を10%削減した。

 日本高血圧学会は、「日本の減塩対策はまだ不十分。減塩の意識のある人を増やし、国民全体の塩分摂取量を減らす戦略が必要です。そのために医療従事者だけでなく、さまざまな立場の人々が協力・連携して活動することが重要です」と強調されています。

皆さんはどう思いますか?まだピンとこない人もいると思います。
搬送される
突然倒れてしまう循環器疾患などの治療の過程で、必ず『減塩』は付いてきます。
誤解されないように言いますが、『禁塩』ではないのです。

喫煙
減塩に否定的な人は、『喫煙』と同じように屁理屈で塩分の過剰摂取を肯定しようとします。
そちらを信じるという方は、それでもいいでしょう。

塩分摂取比較
世界にはほとんど塩を摂らない人たちもいます。一日に3g程度摂っていればナトリウム不足になる事は無いようです。私たちの普段の食生活であれば摂りすぎはあっても『不足』のリスクは無いでしょう。
アフリカ
2年ほど前のNHKのドキュメント番組でもほとんど塩を摂らないアフリカの原住民を取材していました。私たちが塩分を減らすことに大きなデメリットは無いようです。
しいて言うならば、塩分摂取は食欲を増加させますから、高齢者で食が細い人などは食欲減退しないように気をつけたいですね。

この記事が、減塩に悩む人の行動のきっかけになれば良いと思います。