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記憶
介護現場で利用者様の居室に写真やアルバムがおいてある方もいらっしゃいます。
昔の事はよく覚えていると言いますが、記憶が古いか新しいかではないように感じる事もあります。
マイナスな記憶
良い事は忘れる
高齢者に限らずマイナスなことを人に言いたがる人がいます。
嫌な事は忘れないものですし、敏感に感じるのかもしれません。たとえば、美味しかったお店の記憶より、嫌な思いをしたお店の記憶の方が残ったりしませんか?
『もう二度と行きたくない』という感情などは、危険回避の本能なのではないでしょうか。
ネガティヴには敏感
私が介護する際にも、気を付けているのは『その人のマイナスの記憶』です。
話しかけられるのが嫌な人は、過去に裏切られたり騙されたりした嫌な記憶が警戒に繋がっているかもしれません。さりげなく、相手が欲していることを汲み取りながら言葉少なに接していく方が良いと思います。食事でも、黙って食べたい人と話しながら楽しく食べたい人とそれまでの生活によって違いがあります。大切なのは、『相手の気持ち』ですね。
『面倒だな』と思うかもしれません。でも、気持ちがマイナスになっているときはその気持ちがおさまるまでは、なかなか切り替えられないものです。良くないのは、そのマイナスをさらに悪化させることです。反発を買うような事を言うのも、同調して拍車をかけるのもよくないです。
危険回避の本能
最もネガティブになるのは、心や身体の『痛み』なのだと思います。
相手を傷つけるような言動をする方ほど、何らかの『痛み』を持っているのだと思います。
見せかけの人権団体に怒られるかもしれませんが、例えるなら、飼い主から虐待を受けて捨てられたペットのようなものかもしれません。
高齢者介護は、その人の様子を十分に観察しつつ、それまでの生活歴を鑑みて、その人に合ったケアを考えていく必要があると思います。
個人的に思うのは、道徳や倫理観が今の人達よりもある世代ですから、こちらがまともな対応さえすれば、BPSDが悪化することなどないはずです。間違った情報を基に、『不適切ケア』ではなく『とんちんかんなケア』をすることで状態は悪化すると思います。
今の高齢者は、現在のようにパワハラとかセクハラとかを防ぐような取り組みなど無い時代を生きてきた方々です。特に戦前の方がたほど盗食とか異食などが見られ、戦後世代の方ほど暴言やわがままが多く感じます。介護を受ける前の生活環境や、それまでの生活歴によって違いはあると思いますが、高齢者全般に言えることかもしれません。
慈しみや愛しみは嗜好品
〇〇セラピーとか流行っていますが、今後戦後世代の高齢者が増加するにつれ趣味や趣向が多様化していきます。考え方が多様化すると、それに対応するケアワーカーもそれなりに対応する知識が必要になってきます。さらに、支援や介護の程度の違う高齢者を多数担当していくとなると、介護する側には多くの技術や知識・経験が求められるようになってきます。
では、そういった今後の介護を見越した人材の育成や仕組みの構築、介護技術や機器の開発や活用はどこまで進んでいるのか私にはわかりません。これから、いろんな人から話を聞いて今の現状を理解して行けたらと思います。
慈しみの心や愛しみの心は、痛みや不安が落ち着かなければ生まれないと私は思います。〇〇セラピーのような、癒しの言葉や物が先じゃないんです。
いかに早く、不安や痛みを見つけチームケアで問題解決できるかが、本来介護に求められることではないでしょうか。