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おもち

もちとごはん

やきもち もち米2

もち米とうるち米では、少し薬膳的な性質も違います。

もち米
ご飯は主食ですが、もち米は毎日食べるのにはあまり向かないようです。

ご飯の性質は『平』、もちは『温』になります。
もちは独特な粘り気や甘みが、胃腸をあたためて氣を養うため滋養強壮に良い食べ物です。

一方で『於血(おけつ)』という血の滞りを招くことから、肺が帰経ですがアレルギー性の症状(喘息や皮膚の疾患など)がある場合や、おしっこの出が悪くむくみのあるときは控える方が良いようです。
また、炎症を助長してしまうので関節の痛みや皮膚のかゆみなどがある時にも控えた方が良いと思います。よもぎもちは、よもぎの浄血作用が加わりますので於血を予防する意味でも良い組み合わせですね。マツの実やはちみつ、白きくらげなどは津液を潤します。
ぎんなんやクルミも良いと言われますが、性質上アレルギーを助長させてしまう可能性があるので、もちと併せて摂るのは控えましょう。


おもちで元気に

正月が過ぎると、のこったお餅を揚げたり焼いたりしておやつで食べてました。
砂糖醤油につけたり、大根おろしでいただいたり、ぜんざいにしたり。

冬は乾燥して、水分の代謝が悪くなったり乾燥してかゆみが出たりします。おもちの食べすぎはそれらを悪化させてしまう事もありますので、食べ方も工夫したいですね。

磯部もち からみもち
海苔を巻いて醤油を付けて食べるのや、大根おろしとしょうゆでたべるのは良いと思います。
海苔や大根の食物繊維は、通じを促しますし醤油は発酵食品で塩分もあるので、冷えを防ぎ水分代謝をサポートしてむくみを改善します。むくみや於血はもちを食べすぎると起こりやすいので、こうした食べ方は先人の知恵なのかもしれませんね。

ぜんざい
注意したいのが『ぜんざい』など小豆との併せ方です。本来『小豆(しょうず)』には利尿を促す働きがあり、むくみや冷えに良いとされます。とくに『あく』といわれるものに薬効があるのですが、ぜんざいを作る時には、この『あく』を取り除いてしまいます。また、お砂糖は於血を助長してしまいます。つまり、『あく』を取り除いた小豆に、砂糖をいれておもちを入れるというのは薬膳的にはあまり良い食べ方ではありませんね。

小豆雑煮
ちなみに、『小豆雑煮』は本来お砂糖を入れません。お出しで食べます。島根など山陰の郷土料理にもなっています。ぜんざいは『神在餅(じんざいもち)』という神様にお供えするものが由来と言われています。甘く煮た小豆とおもちで作られたようです。

ちからうどん
『ちからうどん』という餅が入ったうどんもありますね。由来は『力持ち』と『ちから餅』をかけた洒落だという説や、餅は神にささげる食べ物なので神様のお力をいただくという意味など諸説あるようです。薬膳的にも氣を養う食べ物ですから理にかなっていると思います。

めんつゆバター
餅を焼いてめんつゆとバターをかけたものです。はちみつとバターも合うと思います。
炎症やアレルギーが気になれば、バターの代わりにオリーブオイル(バージンオイル)も良いでしょう。

生姜とねぎのスープ
鶏肉とねぎを使ったスープです。風邪の予防や冷えの改善に良いと思います。特に寒い時にはここに『葛』を入れてとろみをつけたり生姜を足しても良いでしょうね。
辛いものが大丈夫なら、キムチや豚肉と併せたスープなども良いと思います。滋養効果が高まりますね。

グラタン
もともとお米ですし溶けるチーズのような食感もありますから、グラタンみたいな食べ方もできます。切って使えるので炒め物の具材としても使えます。根菜類などと併せたいですね。

食べ物は、私たちの体の状態や環境の変化などに応じて様々な働きをしてくれます。
どんなに良い薬効を持ったものでも、食べ方次第でプラスにもマイナスにも働きます。

moti
おもちは、元気になるためにはとても良いですが、アレルギーやむくみを生じているときには気をつけないといけない食べ物です。一方で、くせのない味ですからいろんな食材と組み合わせやすいですから、目的に応じて色々とアレンジしてみてはいかかでしょうか。



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