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社会の成長

能登の地震

能登地震
地震から5日が経ち、被害状況も明らかになってきました。一方で、阪神淡路大震災以降、行政や民間の連携からスムーズな物資の支援や人の支援も行われるようになってきたと思います。

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地元の行政や住民の方々は、初めての経験でしょうからうまくいかない事も多いかもしれません。
それでも、この経験が今後の地域の防災に役立つともいますし、他の地域への支援にも役立つのだと思います。今回特に感じたのは、地方の高齢化の問題です。介護施設は全国的に増えていくでしょうが、震災時の介護や避難など、情報の蓄積は急務だと思います。

施設の様子
住み慣れた地元から動きたくないといった声は特に高齢者に多いでしょう。でも、不自由な避難生活は明らかに高齢者のQOLを著しく低下させます。阪神淡路大震災でもそうでしたが、関連死はこれから出てきます。仮設住宅での孤独死や、フレイルの進行による寝たきり、感染症など。
こうした問題は、災害の時だけの問題ではありません。でも、災害が起こった時に病気や亡くなるリスクが高いのはやはり高齢者です。

情報に関しては、モラルのない偽情報や情報社会の負の部分で、犯罪や迷惑行為もニュースで取り上げられるようになってきました。これに関しては、また別の記事で取り上げたいと思います。

寿命が伸びたのは

寿命はのびたのか

昨年末の記事でも取り上げたのですが、新生児の死亡率が低下したことが落ち版大きな要因と言われています。公衆衛生や医療の進歩をさらっと書きましたが、これも日本の成長として大切な話なので少し詳しく書きたいと思います。

今回の地震でも、医療チームが最も危惧しているのは『衛生面の問題』です。感染症リスクが上がれば、命の危険にさらされるのは高齢者と乳幼児ということになります。

戦後日本の公衆衛生でまず改善したのが『結核』の激減でした。衛生状態が突然よくなることは難しいです。当時人口の約2%が結核で亡くなっていました。そんな中『抗生物質』のペニシリンが登場したことやBCGワクチン接種により結核で亡くなる人が減少したことも寿命を伸ばす要因になっています。今、老衰を除けば『三大死因』にあげられるのは、『がん』『心臓病』『脳卒中』です。
血管疾患は減塩などの食事改善で減少に転じたと言われています。その一方で、がんは増加しているようです。欧米化して定着した食文化は胃がんや大腸がんのリスクを高めているようです。

新興国での衛生面や栄養面での改善も進んでいるようで、このふたつが改善されれば、平均寿命で10歳くらい伸ばすことは難しくないようです。抗生物質とワクチンの普及でどの国も平均寿命80歳くらいまではいけるそうですね。

ただ、そうした国々でも日本と同じく食生活の変化によってがんなどの病気が増加しているようです。日本の現状を見ると、衛生面栄養面での改善は進んでも新たな病気の問題もあります。

ただ逆に沖縄は食事の欧米化すなわち脂肪過多により従来の長寿県から転落して久しく「沖縄ショック」と言われている現象もあります。
わかってはいても食事や習慣がコントロールできるかどうかは別なようです。予防は病気や健康に関する正しい情報を理解することでしか行動に移せないと私は思っています。

最近話題の自殺による死亡は年間3万数千人です。
ガンの30万心臓病の20万脳卒中の13万に比べればまだ少ないようです。
この数字をどう捉えるかです。世代別に病気や生活習慣に関する問題は違うと思います。
ただ、新たな感染症や災害などが起こると病気に対するぜい弱さがよくわかります。

ボランティア 給水 ボランティア1 ボランティア2
私たちには、ボランティア精神など助け合う文化があります。こうしたものを、行政は組織化したり具体化して、社会の成長にもっと生かしていくべきだと私は思います。

医療・福祉・健康維持増進それぞれの分野が連携し協力して、みんなでより良い社会を作っていきましょう。