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介護技術向上のために 排せつの介助

排せつの重要性

前回の食事介助の話からだいぶ空いてしまいました。
排せつ介助は、トイレでの介助とベッド上でのおむつ交換が主です。
おむつ  ポータブル
ポータブルトイレを使用する方もいらっしゃいますが、自分のいる施設ではわずかです。

記録
排せつ記録はこまめにして、介護者同士もですが看護師さんも共有しています。
水分摂取量と排尿・排便の状況は利用者のQOLに大いに関与してきますから、『薬を使ってでも出す』という印象を受けました。確かに、腸閉塞などは危険ですし腎機能低下も命に関わってきます。

なので、三日以上排便が無かったり、尿とび(決まった時間におしっこが出てない事)していると不安になります。水分が十分取れていなかったり食事が十分とれていない事もありますが、身体に何らかの異常がある場合、高齢者の場合それが重篤な状態になる事もあります。
なので、出てくれると少しホッとしますね。

手洗い
衛生面では感染症予防にも関わります。震災の時に本当に困ったのが水不足ですが、とくに水を使うのは飲用と排せつ時の衛生保持です。今は、トイレに行く事も手を洗う事も当たり前にできているかもしれませんが、体に障害を持つとだれかにやってもらわないといけなくなります。

特に、おむつ交換の時におむつや衣類に便や尿がついていることもあります。
これらが、感染症に繋がったり褥瘡を悪化させたりすることがあります。


忙しいと、どうしても汚染物の処理が疎かになったり、おむつの付け方が雑になって尿もれしやすくなったりすることもあります。私も、無駄な動きを無くすよう気を付けていますが、一つの作業に集中できるわけでは無いので時間に追われることも多々ありますね。

現場の問題点を見つけ、質の良い作業ができる環境を作っていく事が求められます。工程を省いたり惰性に慣れてしまうような環境にならないようにしないといけませんね。介護者は『排泄』と言う行為が、問題なくできるようにサポートしていかないといけません。


動ける人と動けない人

介護現場
排泄介助とは、排泄の行為や動作が難しい、または排泄機能に問題がある人を介助することです。
トイレ誘導やおむつ替えなどを、高齢者一人ひとりの状況に合わせて行います。排泄介助は、高齢者の健康維持や感染症予防の点においても重要です。

歩行介助や移乗介助なども含むため、介護に慣れていない人には難しく感じます。動けない利用者を解除するときは転倒や滑落が心配ですし、自分で動く人も認知症がすすむと頻回にトイレの訴えをされたり動き回って転倒したり便をいじったりするリスクがあります。対応を焦ると事故にもつながります。それでも高齢者の体の機能・能力の維持には、適切な排泄ケアが欠かせません。


自分目線、相手目線

介護の仕事をしていると、頭では『利用者目線』とか『その人に合わせた介護』と言うのはわかっていても、時間に追われ作業量におわれて『自分本位』になってしまうこともあります。
排せつ介助に関しても、利用者さんによって排便排尿回数も違いますし、拒否が強い人や、多動症の方、便をいじってしまう人もいます。

そうした個々の特徴も把握して適切な時間や方法で介護できるように、常に工夫が必要になります。
それでも、高齢者の場合は日々QOLが急変するリスクがありますから、マニュアル通りにはいかないです。常に声をかけて『観察』することが必要です。

そして、おむつ交換の技術や移乗の技術を磨くことも大切です。早ければ良いわけではありません。
丁寧であっても時間がかかると利用者さんには負担になります。『慣れてない』ことを大目に見てくれる利用者さんもいるでしょう。でも、いつまでも『気を遣わせる』のはプロとしてはダメでしょう。

妥協との戦い

排せつ介助には常に『感染症』への注意が必要になります。尿や便は『汚染物』と捉えます。
直接触れることはダメですし、シーツや衣類に付けてしまう事も感染や汚染につながります。
汚染物の扱いについては、看護師さんなどは特に敏感です。

日々排せつに携わっていると、シーツの汚れや汚染物の扱いが疎かになってしまうことがあります。
『これくらいなら次回の交換の時間に』とか、『面倒だから』『(手袋や衛生用品が)もったいない』、『誰かがやってくっれるだろう』などほかの仕事でもありえる『妥協』『怠慢』が習慣になってしまわないように、初期の教育やチェク体制、職場のルールやモラル向上の取り組みなどが必要になってくると思います。

相手の立場になること

私の経験上、何か問題が起きたときじはじめて真剣に職場環境の見直しや作業の見直しが行われることが多いとおもます。当たり前が当たり前で無くなっていたり、不正が常態化していたり。
どんな仕事でも『ビジネス』ですから、相手があることです。

連携
今やっていることが本当に『相手の意向に沿うものなのか』を考える必要があるでしょう。こちらの主張ややり方を押し付ける事ではありません。トップやリーダーがそれをわかっていないと、組織全体がおかしくなるでしょう。

排せつ処理が好きな人はいないかもしれません。でも、自分が相手の立場になった時にはきっと正しい処理をしてほしいでしょう。ずっとおむつが濡れて気持ち悪いとか異臭がするとか嫌ですよね。
でも、誰かが処理してくれないと自分ではできないんです。それを忘れないようにしたいものです。

いつか自分も受けるであろう『介護』について、知っておきましょう。