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ゴマ

ゴマの話

ごま
漢方の考え方は色々あって、『中医学』的な色が濃いものや日本で派生した『漢方』の考え方のものなど若干説明が異なるものがあります。ただ、流れとしては同じような方向なのでそこまで気にすることは無いと思っています。

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ただ、私は自分が学んできたものを発信していきたいので、和漢薬剤師の勉強で学んだことと横浜薬科大学の漢方薬膳学から学んだ内容で進めていきたいと思います。

ゴマの食材効能について

黒ゴマや白ごまなど、ゴマにも種類があります。
芝麻(しま)・脂麻(しま)・胡麻(ごま)・黒脂麻(こくしま)などが薬膳には出てきます。


性質については下記のとおりです。
五味 
五性 平性
効能効果
補肝腎(肝と腎を補う) 益精(精気を補う) 補気血(気力や栄養を補う)
滋養強壮 肌のうるおい 乾燥性便秘の改善 老化防止 白髪改善 




黒ごま白ごま

寒い冬は、春に向けて「腎」に生命力を蓄える季節と言われています。
冷えると腎機能が弱くなり、腰痛や下半身のだるさなどの症状が現れます。

胡麻は年中食べたいですが、黒ごまと白ごまで性質や働きが少し異なるようです。

白ごまは、体を冷やす寒の性質。黒ごまは、冷やす・温めるのどちらでもない平の性質です。
だから白がダメで黒が良いというわけではありません。組合せや食べ方・使い方を工夫しましょうと言う話です。それぞれの特徴は下記のとおりです。

くろごま
【黒ごま】
肝や腎の機能を向上させて血や生命力を補う作用があり、滋養強壮やアンチエイジングに効果があると言われています。
老化による足腰の冷えや腰痛、めまい、耳鳴りなどへの効果も期待できます。

白ごま
【白ごま】
体を潤す働きが高くなり、肌の乾燥を解消したり、便秘の改善に効果的といわれています。

漢方で食材の作用が入りやすい臓腑や経絡を指す「帰経」は、白ごまが肺と脾と大腸。
黒ごまは肝と腎です。よく効く場所が別とイメージしてください。

効能にも違いがあります。
乾燥を潤す・便秘を改善するところは同じですが、白ごまは体を冷やす食材なので、余分な熱を取り除いたり、皮膚の赤みを落ち着かせる働きがあります。
黒ごまは、肝と腎に入り潤すので、足腰がだるい・耳鳴り・ほてり・めまい・頭痛・不眠・寝汗などの症状の改善に効果を発揮します。
また、血を補い精を増やすので、白髪や貧血などにもよいです。


サプリメント管理士的に見ると

白ごまと黒ごまで栄養成分はほとんど変わらないようです。
(細かくいうと、黒ごまの皮には、活性酸素を取り除き老化を防止するアントシアニンが含まれています。)

ただ、薬膳的効能にあるように滋養強壮や老化防止に関与する成分として、ポリフェノールの一種である抗酸化成分のゴマリグナン(セサミンを含む)などがあります。また、必須アミノ酸メチオニンや非必須アミノ酸のシステイン、ビタミンEやミネラルの亜鉛・カルシウム、必須脂肪酸など様々な栄養を含む食材です。

ゴマ油は、動物性油脂より酸化しにくい上に、風味がよく食欲をそそります。

調味料としても食材としてもアクセントや彩りをよくするのにも利用されてきました。
薬膳としてもいろんな料理に使われる万能選手ですね。

菜の花  ごまさば
ほうれん草以外にも、ブロッコリーや菊菜、菜の花と和えても美味しいです。九州には『ゴマさば』という料理もありますが、お刺身などをさっと茹でて胡麻和えにしても美味しいです。

豆腐
鍋物でも胡麻ポン酢とかゴマダレとか使いますね。肺を潤すなら山芋や豆腐と一緒にいかがでしょうか。

niku カツ
身体を動かすの方などの疲労回復にも補肝腎の効果がある胡麻はおすすめです。
身体が冷えやすい高齢者などには滋養強壮や体力維持に、フライやカツのソース、焼き肉のたれなどにゴマを入れるのもいいと思います。にんにくやねぎ、生姜を利かせても良いですね。

胡麻は本当にいろんな使い方があります。

ケーキ ごまだんご
ゴマ団子やおせんべい、クッキーやパンなどにも利用されます。できれば、砂糖を控えて穀物や芋、カボチャなどの甘みを活かしたいですね。

ゴマの特性を生かしたお気に入りメニューを探してみましょう。



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