1. HOME >
  2. ブログ >
  3. 介護を学ぼう >
  4. 教えてあげる、教えてもらう

ブログ

教えてあげる、教えてもらう

教える理由

私はよく家で妻とお互いの職場の話をします。
夫婦は考え方も似てくるもので、仕事のことに関しては、よく意見が合います。他はダメですけど。妻は、ベッドメイクの仕事が長いのですが仕事への取り組み方が同僚や上司から信頼されているようです。また機会があればそのことも詳しく書きたいと思います。

よく、教える側が立場が上で教えられる側の立場が下みたいな考えがあります。『教えてあげる・教えてもらう』というのは主従関係のように映りますが、本当にそうでしょうか?

これは、教える側と学ぶ側の立場の違いもあると思います。

学校
学校(義務教育ではなく、専門的な知識や技術を学ぶ場所)で学ぶのと現場で学ぶのは違います。学校は教育の場所です。平等に教育を提供して、習得できたかどうか採点していきます。冷たいようですが、頑張って学ばないと義務教育のように助けてくれません。ただ、こちらから学ぶ姿勢で取り組めば正しく評価してくれるでしょう。最終的に、評価は資格の取得や就職に影響してきます。

介護の仕事
一方、現場で学ぶことは仕事の評価を上げて給与を適正にもらうための学びです。
評価を上げるためには、理解できない事は自分から聞いたり、自主的に学ばないと評価は上がりません。ただ、これは雇用される側の意識の話です。これを雇う側が求めるのは間違いです。

では、雇う側にとって学んでもらうとはどういう事でしょうか?

介護の仕事に例えるなら、利用者さんやその家族が一番のお客様になります。
ビジネスとは、相手が望むことや物を提供して対価(報酬)をいただきます。介護サービスを提供するには、技術や知識をを持ったスタッフが必要になります。介護保険の手続きやルールを理解した経理や事務の人も必要でしょう。これをすべて経営者一人でやるのは無理です。でも、外部に頼むとお金もかかるしどの程度やってもらえるのかわかりません。
だから、自分がやりたいようにやっていくには、自分がやりたいことをわかってもらわないといけませんよね。これは、経営者だけでなくリーダー職にも言える事だし、先輩社員が後輩に仕事を教えるときも同じです。
『働きやすい職場』とは、仕事を早くわかりやすく覚えられる職場だと私は思います。

教え方が上手なひとは、教え方を良く知っています。自分が嫌だったことや無駄だと思ったことはさせません。『自分はこうやって教えてもらった』は、上手に教えられる人の特権です。
教えられない人が上に立つと、職場は円滑に回らなくなります。これは生え抜きと補強と助っ人でも書きました。

『教える人』を育てられるかどうか

ここで大切なのが、標準化や共通のルールに対する意思疎通です。
リーダーに求められるのは『何でも言いやすい人』かどうかだと思います。これは、『優しい人』でも『経験が長い人』でもありません。『信用できる人』だと思うんですね。
そういう人にしか『本音』や『気づいたこと』は言えません。言いやすさは大切です。

私の中では
仕事に対して真面目な人
スタッフや組織の悪口を言わない人
相手によって極端に態度を変えない人

であれば、良いリーダーになれると思います。

ラーニングピラミッドと言うのがあります。最初は誰も勉強した事に自信がありません。
ラーニングピラミッド
だから教える側の人は、相手が自信を持てるまで根気よく教えるしかありません。そして、出来るまで根気よくサポートしながらやらせていく事です。本人のやる気を保ちながら、正しく人に教えられるくらいまで技術や知識を習得してもらう事。

教えてもらう側より、教える側の方が大変です。でも、それを教えるときに態度や口に出してはダメです。『やってもらえるようになる』ことがこちらの目的ですから、『なぜできないのか』と、相手のせいにしないようにしましょうね。自分の努力不足を露呈しているようなものです。

山本五十六
私は自分のいろんな仕事をやってきた経験から、人が育たずに辞めてしまったり、現場に問題が多いのはこうした『人のせいにする』職場や会社だと思います。

日々追い詰められて、辞めたくてもやめられないと思っていたり、仕事内容や給与、労働時間やに威厳関係など職場の不満が多いと仕事は楽しくないですよね。
本来の『やりがい』や『目的』が見えなくなってしまいます。

介護職の離職が多かったり、看護師さんが介護現場を嫌がるのは、仕事の教え方にあるのだと私は考えています。

自分の仕事を、誰かが代わりに喜んでやってくれるのならそれに越したことは無いですよね。