食医という仕事
和漢薬膳師という通信の資格を取った理由の一つが、『薬膳』に興味を持ったことでした。医食同源という考え方は、調理師をしていた自分にはとても共感できる話です。
そして、サプリメントの仕事をして『未病』や、陰陽五行に基づく『相性』や『バランス』は、栄養成分の配合や仕組みにもつながる面白い内容です。
漢方を深く学ぶと、難しい面もあります。長い歴史のある『医学』ですから、たとえ医者や学者であったとしても軽々しく批判したりする記事など見ると違和感を感じます。
日本でも、横浜薬科大学が監修した『漢方薬膳学』や千葉大学が監修した薬膳の本などを見ると、『食』がいかに私たちの健康維持や増進に欠かせないものなのか考えさせられます。口に入れるもの一つ一つに意味があり、薬にも毒にもなるわけですね。
古来中国では、宮廷にたくさんのお医者さんがいたようです。人の病気やけがを治すための医者や、大切な馬や家畜を守るための獣医など。その中でも、最も上の地位と言われるのが『食医』だったそうです。
食医は、未病を見つけ食を正し病気を治す医者。
疾医は、症状を薬で治す医者。
傷医は、患部を切り取る医者。
獣医は、家禽の病気を診る医者。
こんな感じですかね
食医って素晴らしい仕事だと思います。
まさに『予防医学』の最先端
日本にも、早くからこの『医学』は伝わったようです。漢方薬で有名なツムラさんのHPでは、飛鳥時代あたりが起源だそうです。
『漢方』というのは、この名前が付けられた頃の中国の国家が『漢』だったからでしょう。江戸中期にこのように呼ばれるようになったようです。
陰陽や五行に基づいた考え方は、料理に限らず私たちの身の回りにあるようです。
例えば、お相撲の土俵もこんな感じだそうで
東西南北に中央の土俵が黄色、軍配が陰と陽だとか
桃太郎の昔話も、陰陽五行だとか。『桃』は、孫悟空の最初にも出てきましたが中国では重宝される果物だそうで、その周りの干支が戌、酉、申で、鬼門にあるのが丑と寅。
トラのパンツを履いた2本角の鬼ということらしいです。
こうした自然の法則のようなものが、『漢方』や『薬膳』のベースになっているわけです。科学的根拠がどうとか言う人もいますが、その歴史よりもはるかに長い医学の歴史を持っていることも認めないといけませんよね。
食べることは生きる楽しみ
食は、生きるためのエネルギーであるとともに、人生の楽しみでもあると思います。
栄養的な見方のほかにも、色や臭い、味、目に見えない性質もあります。
西洋医学と東洋医学は、『病気』の見方が違うだけで最終的な目的は同じです。
いかに、元気で長生きするために病気を防ぎ早く治すか。
サッカーも野球も、勝ち負けを競うスポーツですよね。
どうやってチームを勝たせるのか。ルールは違っても目的は同じです。
夏のおすすめ
猛暑を乗り切るために、食の工夫やサプリメントの活用をおすすめします。
食べ方も大事なので、身近な食材で工夫していきましょう。
とうふとキムチ
キムチはそれだけで陰陽五行を網羅した食材だそうです。
発酵食品で、白菜の葉の黄色と白、調味料の赤と黒、ニラの青、酸味、甘味、苦味、塩味と辛味のバランスがめぐりを良くするようですね。
豆腐の性質は下記の通りです。
涼と甘は、体内の熱を和らげる性質ですので、めぐりを滞ることなく栄養もしっかり取るには良い組み合わせだと思います。お腹が冷えやすい(便秘気味とか肌荒れが気になる方など)は、温めて食べても良いと思います。
そうめんとキムチ
夏の定番そうめんですが、豆腐と同じく涼と甘の性質なので暑い夏には良いと思います。『冷え』を悪と捉えると白いものは体に悪いという誤解を生みます。
他にも、葉野菜や南国のフルーツ、コーヒーや小麦製品などですね。何でもそうですが摂りすぎになりやすい趣向品に注意しましょうくらいでいいと思うんですけどね。
そうめんの材料である小麦の性質は下記のとおりです。
こうしてみると、小麦も悪者ではありません。
自然との共存とは、『調和』だと思います。そうめんは、しょうゆやかつおだし、薬味などで冷えすぎないよう整えます。
摂りすぎや不足をいち早く見つけ、食で改善していくのが薬膳師であり『食医』だったのでしょうね。
専門家に配合をお願いして、漢方生薬製剤協会加盟のメーカー原料で作られたスッポンオイルと10種の高品質生薬の薬膳サプリメントが『GENBU EX』です。
これに関しては、また別の記事で詳しくご紹介します。