1. HOME >
  2. ブログ >
  3. 社会に思う事 >
  4. 飲食業界の人手不足

ブログ

飲食業界の人手不足

魅力のない職場に人は集まらない

飲食業の魅力ってなんでしょうね?

私は高校を卒業してから大阪に出てきました。大阪の調理師学校へ行くためでした。
大阪の会社で住み込みでアルバイトをしながら学校へ行き、卒業後そのまま就職しました。
イタリアン
系列の神戸の店舗で働いていましたが、震災で大阪に転勤になり百貨店のテナントで副料理長としてメニュー開発やメニュー分析なども担当しました。後に母の体調不良で実家に帰る事になり退職します。でも、この会社へ再び戻る事はありませんでした。

私は、この仕事の一番の魅力を『食による幸せの提供』だと思っています。
ただ、この業界にはそうした志を大きく打ち砕くような様々な困難がありました。

長時間労働や職場でのパワハラやセクハラ、厳しいというより理不尽な上下関係など。
さらに、低賃金や職場環境問題など。下を見ればきりがないから我慢して。。。みたいな日常が当たり前のような状況でした。今では信じられないような壮絶な職場環境です。
今、様々な分野で『職場環境の改善』が進められるにつれてその全貌が明らかになっているようにも思えます。

バブル3 バブル2 バブル1
時代としては悪い時期ではありません。イタ飯ブームと言われ高級ワインや高級レストランがブームになったり、景気の良い話が世間にはたくさんありました。ビジネスや経営的にはチャンスも多く、勢いに乗って急成長した企業やビジネスも多かったのではないでしょうか。

ただ、バブルが崩壊し、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件も起こり、山一證券や拓銀の破たんなど日本が停滞期に向かいます。働いている私たちも、景気に左右されていきます。

昭和の社会
そもそも会社のコンプライアンスなど当時はない会社がほとんどだったし、人手不足の状況も今とは違います。売れば何でも売れるから人手が欲しいというもので、今のように人口が減って働き手がいないからと言うような話ではありません。そうした将来を考えずその日暮らし的なずさんな経営が、会社や社員を窮地に追いやっていったわけです。

仕事のつらさ
飲食業界も同じく、労働者は使い捨て、海外からも安い賃金で働く人が入ってくるし、文句があるなら辞めてもらって結構みたいな感じでした。
今、そのツケがまわってきているのではないかと私は思います。どうしても、私は『飲食業』に対して当時の『使い捨て』的な空気を想像してしまいます。


給料上げれば良い人材が集まるのか

給与
生産性があがらないのに給料を上げる事は出来ません。いつまでに生産性を上げて収益を出すのか。
これを描けない会社や経営者が給料を上げるはずありません。上げたら自分が損するという考え方です。今でも少なからずこうした経営者はいるでしょう。

キッチン 洗い場
そもそも、将来の明確なビジョンが描けているのなら給料が上がるだけでなく職場環境だって改善されているでしょう。

やりがい
要するに、将来の希望や今の仕事にやりがいを感じられない職場には人は集まらないという事なのではないでしょうか。仕事とプライベートは別でも良いと思いますが、仕事が出来てないのにプライベートだけ充実させようというのは虫が良すぎますよね。

仕事にはプロ意識とプロの能力も必要です。なぜなら、それが無いと利用する人から気持ちよくお金を払ってもらえないし、人も来ないからです。
これは飲食業だけに限らずですけど、飲食店はこれがわかりやすい職種だと私は思います。


意識と能力を育てるのは雇う側の責任です。
意識も能力も育たなそうな人は最初から雇わなければよいわけで、それを雇ってしまうは雇う側の問題じゃないでしょうか。

作ることも、提供することもそうです。自分ならどんな人に作って欲しいですか?どんな人に接客して欲しいですか?

一杯500円のラーメンと一杯2,000円のラーメンの違いは何でしょう。材料の値段の違いだけじゃないのはわかりますよね。

人手不足の理由は、やりがいや働きがいのある職場を作れない企業や経営者の責任です。
また、労働内容や労働環境に関する指導や方向性を示せない行政の責任でもあります。企業も行政もやらざるを得ないところまで追いつめられていますが、まだなかなか変わりません。

子供の未来
何故でしょう?『日本の将来なんて自分には関係ない』と思う人が、権限のある職に居座るからでじゃないでしょうか。そのまま淘汰されて路頭に迷うか、新しい力が発想力と行動力を発揮して変えていくのか、それはこれからのわたしたちの行動にかかっていると思います。