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アスパルテームとスクラロース その1

合成甘味料について

合成甘味料
私は添加物に対して過剰な批判をしている人たちが好きではないです。ただ、食品メーカーや添加物の団体も不誠実な情報発信はやめてほしいと思います。

人工甘味料には天然と合成があります。

天然甘味料は「添加物」と「食品」があり、食品系の天然甘味料は一般的に糖と呼ばれるブドウ糖やオリゴ糖、はちみつがあります。添加物系は、ステビア、トレハロース、キシリトール、ソルビトールがあります。

合成甘味料は、食品に存在しない甘味成分を人工的に合成したもので、日本とアメリカで認可されている合成甘味料は主にサッカリン、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム(以下、アセスルファムK)、ネオテームの5つです。
合成甘味料5

薬か食べ物か

飲食業界もそうでしたが、食品メーカーも時代の流れについていけていないように感じます。
おそらく、業界団体の問題なのかもしれませんが利用者目線、従業員目線になれない業界だと思います。

食品添加物は『薬』ですか『たべもの』ですか?

食品メーカーは、論点をすり替えるようなイメージ戦略でごまかしますが、添加物は『薬物』です。
医療従事者が書く情報には、そうした姿勢への指摘もあります。

双方の言い分もあるのでしょうが、あるお医者さんはこういっています。
『一般消費者はそのキャッチコピーに踊らされ、「カロリーゼロだから、たくさん摂っても太らない」と安心して、ついつい食べ過ぎ・飲み過ぎてしまいます。結果は「言わずもがな」です。それ以外にも、ホルモンに作用する、味覚を鈍化させる、依存性がある、腸内細菌への影響、うつ病のリスク上昇、腎機能低下、脳卒中・心筋梗塞のリスク上昇など様々な悪影響があります。』


実際『薬物』を使い患者さんと向きあうお医者さんが見ても疑問に思われているのが『合成甘味料』のようです。

ただ、『食品メーカー出身者』の中には、悪意を持って添加物を叩いて自分が儲けようという人もいます。大切なのは、出来る限り公平性を保って客観的な情報を発信する事だと私は思います。

それでも、発信者も人間ですから自分の思いや価値観が反映されます。だから、結果的に自分が正しいと思ったものを信じたら良いと思っています。正しいか正しくないかではなく、自分が信じるか信じないかですから『自己責任』です。迷う事や間違う事もあるでしょうが、それもまた成長です。

これを前提にとくによく使用される合成甘味料『スクラロース』と『アスパルテーム』について説明します。

サッカリン

第一次大戦
サッカリン は世界で最初の人工甘味料です。ドイツの化学者が米国ジョンズ・ホプキンス大学で、コール・タールからの抽出されたオルトトルエンスルホン酸の酸化の実験中にできた物質が手に付いたのに気が付かず食事をしたところ、異常に甘かったことから発見しました。その後しばらくしてドイツで商用化され、20世紀になると米国に伝わり、第一次世界大戦と第二次世界大戦で砂糖が不足すると急速に普及しました。

サッカリンは砂糖の350倍の甘味を持っています。高濃度では苦味を感じるため、糖類系の甘味料に混合されて使用されることが多いようです。カロリーがない(ゼロカロリー)ため減量用の甘味量として注目され、炭酸入りのゼロカロリーダイエット飲料(ダイエットコーラなど)として多くの飲食物に使用されています。

発がん性への危惧
1960年代、ラットを用いた動物実験により「膀胱がんのリスクが高くなる」という研究が発表され、多くの国での使用禁止となりました。しかし、その後の研究により、発がん性はサッカリンを合成する過程で生成された不純物オルトトルエンスルホンアミドによることが判明し、サッカリンに発がん性はないとの見方が優勢となりました。
その結果、米国や中国ではサッカリンが飲食物に再び使われるようになりました。日本では、食品衛生法の規制が続いていることや以前のサッカリンにまつわる「発がん性物質」の悪い印象が拭えないこと、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムKなどの別のノンカロリー・ローカロリー甘味料が台頭したことなどにより、サッカリンを用いた食料品は品名・量ともに諸外国と比較して少なめです。しかし、現在の日本でも、ガムや漬物、一部の水産練り製品、歯磨き粉には今でも使用されています。
サッカリン歯磨き

アスパルテーム

アスパルテーム入り
アスパルテームは現在でも安全性・危険性に関して最も論争がある人工甘味料の一つです。米国サール薬品が胃薬(ガストリン)の研究中に強い甘みを持つ成分を偶然発見。その後、日本の味の素株式会社が大量生産技術を開発(商品名、パルスイート)。1974年米国FDA(食品医薬品局)が乾燥製品として、1996年全ての加工食品への使用を認可しました。日本では1983年に食品添加物として認可されました。
アスパルテーム食品
アスパルテームは現在米国、欧州、アジア、アフリカ、オセアニアなど120以上の国で1万品目を超える食品・ダイエット食品・医薬品などに使用されるほど普及しています。日本でも約600品目に使用されています。砂糖(蔗糖)の160~220倍の甘味を持つため少量でも十分で、ほとんど無視できるカロリー(4kcal/g)です。その味は「後甘味でわずかに後引きがあり、砂糖に近く柔らか」だと評されています。甘く感じられるのはフェニルアラニンとアスパラギン酸は共にL体1)でなければならず、それ以外の場合は苦く感じられます。アスパルテームはL-フェニルアラニン化合物と表記されている場合もあります。

メタノール中毒
アスパルテームの安全性を巡る疑惑の原因は、その構造にあります。アスパルテームは天然には存在しない化合物です。経口摂取されると小腸でフェニルアラニン(50%)とアスパラギン酸(40%)というアミノ酸と有毒なメタノール(10%)に分解(消化)・吸収されます。その後、通常のアミノ酸と同じ様にタンパク質に合成されたり、脱アミノ化された後にエネルギー源として分解されたりします。そのそれぞれの成分が過剰摂取(アミノ酸バランスを崩したり)などで健康被害をもたらすと考えられています。

メタノール
メタノールは猛毒です。飲むと失明、最悪の場合は死に至ります。第二次世界大戦後、物資が不足した日本では、酒の代わりに飲まれた事例もあったそうです。この現代でも、世界中でメタノール入りの酒により、集団で命を落としたというニュースを見聞きします。2020年3月、イランでアルコール摂取が新型コロナウイルス感染症治療の一助となるとの噂の後、密造酒を飲んでメタノール中毒で死亡する者が続出。2月以降にメタノール中毒で病院に運ばれた人が5000人以上、うち525人が死亡したとのことです(2020年4月27日、イラン保健省)。このほか、咳止めシロップへの混入など、メタノールの混入による事故のニュースは調べるといくつも出てきます。

アミノ酸サプリ
アスパラギン酸フェルアラニンについては、そのメリットばかりが『アミノ酸』として発信されていますがそもそもアミノ酸を単体で摂ることなどなく食品にバランスよく含まれているからこそ害が無いのだと私は思っています。この二つの過剰摂取のデメリットは下記のとおりです。

アスパラギン酸
アスパラギン酸はアスパルテームの40%を占める非必須アミノ酸の一つです。「興奮性神経伝達性物質」とよばれ、神経から神経への情報の伝達の介在をします。しかし、過量だと「興奮毒」として神経細胞に障害を与えてしまいます。

フェルアラニン
フェニルアラニン は神経伝達物質の一つで、脳内でドーパミン、ノルアドレナリンに合成されます。ドーパミン、ノルアドレナリンは脳を大いに覚醒し、幸福感を与えるホルモンです。いずれもヒトの体内にあるものではありますが、フェニルアラニン単体で摂取すると脳細胞を過剰に刺激し、時に死に至るほどの興奮性毒となり得ます。その影響からか症状として脳障害や頭痛、躁鬱、不眠症、知能低下など脳への影響が懸念され、間接的に皮膚や血液のガンなどが増えるという研究結果もあります。また、暴力性が高まるともいわれています。

過剰摂取と言うのが、どういった場面で起こりやすいのかは分かりません。ただ、これに対して食品メーカー各社が対策しながら使用しているかは疑問です。

メリットデメリット

スクラロースに関しては『その2』で説明したいと思います。

これらの『合成甘味料』を使用するメリットは何でしょう。『糖』の摂りすぎを防ぐ、『価格』を抑えられる。デメリットになる情報ばかりを発信したようになったので、公平にメリットを書こうと思いましたが、ふと思ったのが、これは本当に『使う人のメリットなのだろうか』と言うことです。

食の安全
海外では、製品を作る側に厳しい制限があります。『安全性』については、使用する材料の安全性に加え、『大量に使用する事』に関しても罰則があったりします。糖分の入れすぎとか塩分の入れすぎとか、動物性の脂やトランス脂肪酸などの使用についてもそうですね。

これらの議論に関して、日本では『無添加』とか『天然成分』などと言ってごまかされている部分も多いです。成分単体の安全性の検証を盾にして『過剰摂取』や『中毒性』などはあまり取り上げられません。

そんな基準はずるいと思いませんか?『国が認めているから売っています』という姿勢で良いのでしょうか。国に罰せられないからではなく、本当に使う人のためになるものなのかが大切だと私は思っています。

後半のスクラロースの話では特にその部分について詳しく話したいと思っています。
添加物を使ってはいけないのではありません。目的が、間違ってないかと言う事なんですね。

私は、企業や行政が社会貢献や社会福祉と言う概念をもう一度見つめ直す時期に来ているように思います。

皆さんに身の回りの食べ物の『中身』に少し関心を持ってもらえたら良いですね。