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正義の味方 生と死と

正義とは何か

安楽死事件
ALS(筋萎縮性側索硬化症)の女性を殺害した罪で医師と元医師が逮捕された件。
『死にたい』と思う意思を尊重したというのは、日本の法律ではまだ認められていないわけで、それを量刑を軽くする口実にするのはいかがなものでしょう。

もし、揺るがない正義感があるのなら安楽死が認められている国で、その行為に従事すればよいと私は思います。ただ、この医師と『元医師』のこれまでの経緯をみて、そうした正義感によるものなのかには疑問符がつくように思えます。一番引っかかるのは『医師免許の不正取得』ですね。


将来の夢

この人たちはなぜ医者になりたいと思ったのでしょうか?
今回の件について、世論の中にも『死にたい人の権利』みたいなことを言う人がいます。
私は、ちょっと違うと思うんですね。『生きる』という選択肢に『希望』を与えなければ『生きたい』という選択ができるはずがありません。

日本医師会
日本医師会の見解はこうです。

医療の目的は、患者の治療と人々の健康を維持・増進していくことであり、患者から「死なせて欲しい」という要請があったとしても、生命を終わらせる行為は医療ではないことを強調。もしそのような要請が患者からあった場合には、患者がなぜそのような思いに至ってしまったのか、苦痛に寄り添い、共に考えることこそが医師の役割だとしています。

私は、この回答に医師としてのプライドと人としての心を感じます。

さらに、今回の二人の医師と元医師に対しては「医療の本質は、人類愛に基づく行為であり、自らの利益のために行うものではない。ましてや、容疑に問われている医師は、亡くなられた患者の主治医ではなく、診療の事実もなく、医の倫理に照らす以前に一般的な社会的規範を大きく逸脱しており、決して看過できるものではない」と指摘されています。
医師の殺人
 患者が長期にわたる闘病の中で、死を選ぶ道を探し求めたとすれば悲しむべきことであるとし、「死を選ばなければいけないような社会ではなく、生きることを支える社会をつくるため、例えば、治療法の確立を目指した研究開発、心のケア、介助や支援制度の拡充並びに患者や障害を持った方がよりよく社会で生きていくことができるような技術の開発や普及等、医師会がやるべきことは何かを追求していきたい」としめくくられています。
私は、これは医師会だけがやる事ではなく、福祉全体として取り組むべき課題ではないかと思います。
そして、その状態を作らない社会を作る事も行政や民間企業も含めた社会の役割ではないでしょうか。


お金を稼ぐこと

kiriko
『お金儲けとしての医療行為』と言う考え方がそもそも間違っていると、手塚治虫氏は言いたかったのかなと思うのが、『ブラックジャック』という漫画ですね。
ブラックジャックに憧れる人は、『高額報酬』や『医師免許が無くても』に憧れているわけではありません。医師としての完璧な判断力や技術に憧れる訳でしょう。

その反対を表現する『ドクターキリコ』に関しても、様々な深い意味合いが込められているように思います。受け取る側が、医師会が言うような「医療の本質は、人類愛に基づく行為であり、自らの利益のために行うものではない。」という考えかたを持っていれば、今回のような事件は本来おこらないのではないかと私は思います。


迷いと不安

110番増加
110番通報の2割がいたずらや間違いだそうです。少し前には119番通報に関しても問題定義がありました。すべてが悪いわけではありません。
救急車不要

迷いや不安の原因は『知らない』と言うことが大きいと思います。
いろんな肩書きをつかって、お金儲けや詐欺を働く人たちもいます。自分は騙されないと思っていても、それを信じ込ませるのが詐欺師などの犯罪者の恐ろしいところです。
そういう人たちは、私たちの『無知』を突いてきます。

知らない事をいいことに、詐欺などの犯罪に利用されないように、何かあった時相談できる窓口(社会福祉や医療・福祉関連など)や相談できる相手をつくっておいてはいかがでしょうか。