技術とゆとり
介護の仕事には、おむつ交換や排せつの介助、体位変換や車椅子移乗、食事介助、入浴介助などがあります。私たちが、日常生活でやっている着替えやトイレ・食事や入浴、移動などが出来なくなると、誰かに手伝ってもらわないといけません。
一日24時間、365日私たちは生活しているわけですから介護はずっと必要になります。
タイムスケジュールに合わせてできる事ではありません。体調も心も不安定なときがあるし、一人一人価値観も生活習慣も違います。
介護施設では、利用者さんのペースを考えながらもある程度決まった時間に、決まった作業を行うことになります。
おむつ交換や排せつ介助などは、介護者の技術によってスムーズにいく事もあるし、時間がおしてしまう事もあります。
食事介助については、食べる人のペースや食事形態(普通食・刻みやペースト状など)によっても、介護度によってもかかる時間は違います。
これも、食べさせる技術は必要ですし、早く食べさせるというより誤嚥や、落薬(薬の飲み忘れ)防止に注意しつつ、食事を楽しんでいただけるよう介護する側にもゆとりが必要だと思います。
経験が生む安心感
介護に限った話ではなく、『この人に任せておけば安心』と言われる人がいます。
作業の意味やポイントを抑えて、早くきれいに仕事ができるのは『経験』が大きいです。私は、どんな仕事であれこうした『きれいな仕事』をすることを心掛けていますが、介護に関しては『技術』『知識』『連携』がとても大切な仕事だとあらためて感じます。
スムーズなおむつ交換や整容は、される側も気持ちが良いでしょう。
ベッドへの移乗や、体位交換なども経験と技術があるとスムーズにこなされています。
思いやりとか、丁寧さとか確かに大事ですが、いつまでたっても上達しないのは、介護される人にも迷惑だと思いませんか?
やるならスペシャリストを目指しましょう
見せかけの情報
営業マンと同じく、愛想が悪いよりは相手の話を聞く姿勢は大切だし、笑顔で応対されると気持ちが良いものです。
ここを良く強調されますが、『仕事』として考えると、テキパキとこなしてくれることが一番依頼する側にはうれしいことだと思います。
にこにこして笑顔で頑張るのが悪いのではありません。技術や知識が無く、仕事が遅いと必ず『余裕』が無くなります。
ラーメン屋で注文後に30分も待たされて、にこにこしながら『お待たせしました、心のこもった美味しいラーメンです。』と言ってこられたらどう思いますか?
作業に追われないためには、スムーズな仕事の流れや段取りを覚えて良い技術を身に付けることが大切です。
優先順位は『仕事の技術を身に付ける』事だと思います。
相手の立場になる
介護における技術の向上の先には、より良い介護をするための仕組みの構築や、設備の導入、人材の育成など様々な課題が出てくると思います。
まずは、自分にそれが見える『余裕』が出来ないとだめです。自分だけが楽するためではありません。
効率の良い仕事は、する側もサービスを受ける側にもメリットになります。
自分も、利用者が安心して受けられる綺麗な仕事を目指します。