褥瘡(じょくそう)とは?
持続的に圧力がかかる事で、皮膚と骨の間の組織の血流が悪くなって皮膚の組織などが傷んだ状態を『褥瘡(じょくそう)』と言います。以前は『床ずれ』と言われていたものですね。
確かに私たちも、長時間座っているとお尻が痛くなったりしますよね。広く圧がかかるより、一点に圧がかかる事で、そこだけが赤くなったりしびれて感覚が無くなったりします。これが、自分で寝返りをうてない人などは『褥瘡』になってしまうわけです。
また、これが皮膚の赤みやただれ、ひどくなると潰瘍(かいよう)や細菌感染につながります。ここまでひどくなる原因が、『摩擦』です。歳を取ると、皮膚が薄くなったり再生に時間がかかるため、少しの摩擦やダメージによって褥瘡は悪化してしまいます。
そのため、看護や介護の際にシーツの敷き方や体位の取り方、おむつ交換や移乗の際に体を引きずっていないかなど、介護する側の技量や意識が大きく影響してきます。
褥瘡が起こりやすい場所
褥瘡は、介護制度の整備とともに減少傾向にあります。
それでも、高齢化が進み寝たきりや介護の必要な人が増加するにつれて、割合は減っても実際に褥瘡のリスクは高まっています。
褥瘡ができやすい部位は下記のとおりです。
お尻の周りにできるものと言うイメージがありましたが、他にもこれだけリスクの高いものだったんですね。
上の表は、仰臥位(仰向け)の時と側臥位(横向き)の時に褥瘡ができやすい場所を表しています。長時間同じ姿勢でいると、硬いところ同士が接しているところに褥瘡ができやすくなります。
たとえば、ベッドのシーツのしわになったところと、くるぶしやかかと、ひざ関節など皮膚が薄く骨が出ているところ等です。骨の出ている部分は、圧力が集中しやすく、床ずれの発生危険度が高くなります。
褥瘡を作らないために
表は5つになっていますが、原因は大きく分けて4つです。
同じ体位による長時間の圧迫
皮膚への摩擦
不衛生な皮膚の状態
栄養不良
介護の頻度や質は重要です。
意識の問題もあるかもしれませんが、意識を高く持って仕事ができる環境づくりが何よりも大切ではないかと私は思います。
意識と知識を高める
知る事が大切です。原因と対策についての知識を学び、現場で実践することはとても大切ですね。
判断がつかない時は、経験豊富な人に相談すればよいと思います。
ほったらかしと、自己判断は危険なので。
褥瘡予防は、QOL低下や敗血症を防ぐために最も大切な事になります。
そのため、普段から予防対策の技術の向上と観察力を上げる意識の徹底が不可欠です。
利用者さんと、その家族が安心して頼れる介護士になりたいものです。