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ルールは誰のため?

10月からインボイス制度が始まります


インボイス制度とは、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式で、正式名称は「適格請求書等保存方式」です。


インボイス制度導入後は、一定の要件を満たした適格請求書(インボイス)を売り手が買い手に発行し、双方が適格請求書を保存することで、消費税の仕入税額控除が適用されるようになります。


つまり、適格請求書がなければ仕入税額控除は適用されません。


インボイスに対応する事業者とそうでない事業者が発生する可能性があります。


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特に、年間売上1000万以下の自営業の人達はこれまで税で優遇されていた面もありますが、これからは取引する相手によって、その控除が受けられなくなる可能性があります。また、そうした個人事業主を主に使っていた中間業者は、インボイスに対応していない個人事業主の分まで税を負担しないといけない可能性が出てきます。


会社として考えると、余計な経費は増やしたくないですからインボイス制度に対応したところとの取引しかしなくなるのは至極当然の考え方です。


独立して新たに事業を始めようとする方や、副業として新たな道に挑戦しようとする方は、これまでの優遇制度は無いものとして始めるのなら問題ないでしょう。

でも、これまで優遇処置を利用していた人の2割くらいは廃業されるのではないかと言われています。


ふるさと納税のルール厳格化


ふるさと納税


ふるさと納税は非常にうまくいっている政策ではあるのですが、二つの問題が起きています。そのひとつが泉佐野市問題です。


2017年、2018年のふるさと納税日本一の自治体が大阪府の泉佐野市です。2018年は497億円の寄付金を集めました。これは全国の約1割を占める金額です。泉佐野市のふるさと納税は返礼品が豪華だったことで全国の注目を集めたのですが、総務省はそれに対して再三、指導を入れようとしてきました。


総務省は泉佐野市(を含めた4自治体)をふるさと納税制度から除外しました。このことは裁判で争われ、2020年に最高裁は泉佐野市をふるさと納税制度から除外したことは違法だとして、除外決定を取り消し、泉佐野市はふるさと納税に復帰します。


泉佐野

以前のように宝石やギフト券を返礼品にすることがルール上できなくなったので、泉佐野市が力を入れたのが熟成肉と精米です。泉佐野市では民間の業者が4億円の設備投資をして熟成肉工場を建てました。そこで熟成させた肉を返礼品として売り込んでいたのです。

 復帰後の泉佐野市のふるさと納税は相変わらず人気で、2022年にも、全国5位の受け入れ額(137億円)を集めました。そこで、この泉佐野市を狙い撃ちするように「熟成肉と精米は返礼品として認めない」というルールを総務省が打ち出したのです。

泉佐野市は、今回は総務省の指導を受けることにしました。熟成肉と精米を取り下げても137億円の寄付金は105億円に減るだけです。無益なバトルは避けたいというのが市役所の本音でしょう。


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しかし、政治家たちはこの結果の理不尽さを真剣に受け止めるべきです。要は4億円の資金調達をして産業を興そうとした民間企業が、総務省の一ひねりで廃業の危機に瀕したことになるのです。地方創生をうたう政府が投資をした人を踏みつぶすという前例ができれば、リスクをとって事業を興そうとする人はいなくなってしまいます。


※ダイアモンドオンラインより記事抜粋


新たなものを踏みつぶす文化


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ビール業界は、酒税対策として第三のビールを開発しましたがどんどん税率を引き上げられました。わざわざ、作った意味がなくなってしまったわけです。

消費者も、通常のビールと価格が変わらないのなら、第三のビールを買うメリットはありません。


こんな仕組みの中で、新たな事業を作り出そうとする意欲ははたして湧くでしょうか?


施設

介護保険制度も、新規事業者が増えるにつれ事業者に支払われる額の見直しがどんどん行われています。その一方で、処遇改善などの制度で働く人たちへの還元をうたいますが、給与水準は実務に対してまだ低いと言われています。


処遇改善を受けるためには設備への投資や、環境改善を事業者だけの努力で行わなくてはなりません。その結果、今後介護業界への新規参入は資金力がある企業が、ぎりぎりセーフなラインで、独自の労働者の給与体系をつくり、資金力のない小規模事業者をどんどん踏みつぶして吸収していくようになると思います。


確かに、介護事業者の中には利用者や働く人のことなど考えていないようなひどい施設や訪問事業所もあるようです。そのため、介護職を辞めていく人たちもいるわけです。


まじめに介護に取り組む人たちほど、損をするような仕組みは良くないと思います。


2024年には、介護保険の適用範囲が狭められたり、個人負担が増加するような内容も検討されています。国が予算を割くのではなく、利用者に負担させようという方向です。


国が主導しているのは、私たちの暮らしや社会を改善するための施策ではなく、『ルールを決めたから守りなさい』と言ってるだけのように見えないですか?


ルールは誰のためにあるのでしょう?


政治家や行政のやるべき仕事って今のままで良いのでしょうか。










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