最近では、施設内換気が充実したのか、ホテルや商業施設内でもカビ臭いとか、湿気で気持ち悪くなるようなところが少なくなった気がします。
都会の空気も、田舎の空気もどちらもちゃんと酸素があります。当たり前ですよね。
でも、田舎の方が空気がおいしいとか思ったりしませんか?
私は、コロナで入院したことがあります。その時、鼻から高濃度の酸素を入れられました。いつ入れられたのか記憶がありませんでしたが、これで助かったのは事実です。
ネーザルハイフローというものです。見ての通り、もっともリスクの少ない酸素吸入法でした。医師の素晴らしい判断で、私はこうして後遺症もほとんどなく元気に社会復帰できました。
喀痰吸引を学ぶ上で、呼吸のしくみと働きを学びます。
あらためて、酸素って大事なんだなと思いました。
一言で呼吸と言っても、『空気を入れる』のと、『酸素を取り込む』のはちょっと違うんですね。前者を『換気』後者を『ガス交換』と言います。
要するに、私たちは空気が欲しいのではなくて酸素が欲しいわけで、酸素を取り入れるために空気を入れるんですよね。ビックリマンシールを買うことが目的ではなく、中のシールを集めていたのと同じでしょう。
ちなみに、私は親戚の子が買ったビックリマンチョコの中身を食べる係でした(笑)
私たちの呼吸
私たちは、胸の筋肉を動かして肺まで空気を取り込みます。
呼吸によって吸った空気は、口腔・鼻腔から吸い込まれ咽頭(のどの奥くらい)から、喉頭(喉仏くらいの場所)を通過し気管・気管支(右と左に枝分かれしているところ)を経て肺の『肺胞』に取り込まれて血液中に『酸素』が入ります。
この時、『肺胞』は血液中から不要になった『二酸化炭素』を受け取ります。これが、ガス交換です。
ちなみに左右対称のような肺ですが、右が上葉・中葉・下葉と三つに、左が上葉・下葉と二つに分かれています。左が小さいのは単純に左に心臓があるからと言われています。ただ、よく勉強していないと左右対称と思われがちですよね。腎臓もそうです。
人体の仕組みはすごい
先ほど述べた『喉頭』の上に図には書いてないですが、『喉頭蓋』というところがあります。食べ物や飲み物などが、気管に入ってこないように蓋をしてしてくれるところです。
空気以外の異物が来た時に蓋をしてくれます。ピコピコハンマーじゃんけんみたいですね。反応が鈍くなると『誤嚥』してしまいます。むせたときとか。これが、頻繁におこるようになると肺に『肺炎球菌』などの菌が感染して、『誤嚥性肺炎』などを引き起こしてしまうわけですね。少々の菌やごみは気管支の粘膜で絡めとり、痰となって飲み込むか出すことになります。高齢者は、出す力が衰えてしまうため、上手に痰を出せなくなったりします。
また、空気中に細かい菌やウイルス、化学物質などが飛散している場合にも、肺までこれが届いてしまい『肺胞』がつぶれてしまうことがあります。
この病気を、COPD(慢性閉塞性肺疾患)と言います。
この症状は、酸素の不足を引き起こしますから様々な病気の引き金にもなります。
咳や痰の絡みには様々な病気の可能性がありますし、換気の不足など衛生環境の問題があるかもしれません。まずは、掃除や換気の意識、高齢者は口腔ケアなど嚥下に関する注意も大切ですね。
人は、ご飯を食べなくても水を飲まなくてもすぐに命を落とすことはありません。
でも、『酸素が無くなる』と生きていけません。
呼吸器を大切にして、足腰も丈夫にして、たくさん良い空気を吸いましょうね