医療的ケアニーズの延長になります。
看護師さん達と、介護職の認識に大きな差があるのがこの『感染症対策』と言う部分かもしれません。
菌やウイルスは目に見えないぶん、糞尿や嘔吐物のように避けて通ったりしませんよね。マスクや手洗い、うがいなど医療や介護の現場では今でも当たり前なのに、
『マスクを外す』=『世の中が綺麗になった』と勘違いしている人も多いのではないでしょうか。
手洗いやうがい、消毒などは抵抗力のない子供や高齢者に会う際に、特に気を付けたいものです。実際、小さな子のウイルス感染はこの夏大幅に増加しています。
この暑さで体力を消耗している人も多いでしょう。私の周りにも、これまでコロナにかかっていなかった人か感染するケースを多く耳にしました。
清潔にした方が良いのはなぜか
イランには70年間体を洗っていなかった男性がいました。
身体を洗われて、まもなく亡くなられました。
オールドパーというお酒があります。このオールドパーさんは、質素な食事を続け不衛生な環境で長生きしていましたが、清潔にしおいしいごちそうを食べて亡くなったという逸話があります。
こんな逸話を聞くと、きれいなところで沢山おいしいものを食べる事だけが幸せではないのかもしれないと思ってしまいますよね。
介護職的に言うと、きれいにされたりおいしいものをたくさん食べることを、この人たちは本当に望んでいたのかということです。本人の望むものだったのか。もちろん、好転することもあるかもしれません。ただ『こうするべき』という考え方は、気を付けないといけないですね。
人の好意も行き過ぎると迷惑になりかねませんよね。
何が言いたいかというと、一般論では説明がつかない事実もあります。私たちが思う以上に生命は様々な環境に対応して生きているんですよね。
ただ、おそらく現代社会に生きる私たちの大半は感染症に対する抵抗力が弱っています。劣悪な環境は、自然が作り出したのではなく人間が自ら作り出し、そのスピードは自然界では追い付けないほどになっています。
だから、
① 命に関わらない程度に清潔に保つ
② 人に迷惑をかけないように気を付ける
③ 菌やウイルスに負けない体をつくる
この3つが大事じゃないかと思います。医療的ケアで学んだ内容から、この3つについて書いていきたいと思います。
感染症とはなにか
健康食品の中には『免疫力を高める』とか『菌をやっつける』みたいなフレーズがよくあります。感染症対策という事なのでしょう。
では、感染症ってなんでしょう?
感染症とは、体内に菌やウイルスが侵入することでも増殖することでもありません。
入ってしまうと感染症というイメージがありますが、本来はこのように定義されます。
病気の原因となるようなウイルス、細菌、真菌などが宿主(しゅくしゅ)となるヒトや動物の体内に入り、臓器や組織の中で増殖することを『感染』といい、その結果熱が出たり具合が悪くなることを『感染症』といいます。
3つの大事なこと
先に書いた3つのことです。
無菌とか抗菌とかいらないんですね。普段は。必要なのは、人体に直接害を及ぼすような菌やウイルスがたくさんいるような状態を作らない事が重要です。
普段から不衛生にしていると、その意識が欠如してしまいます。
介護施設では、『日常生活』を大事にします。病院と違い、毎日感染症の人達が頻繁に訪れるわけではありません。コロナ禍で、施設への外部からの訪問にはかなり気を使うようにはなったと思います。でももっと、その『日常』に手洗いやうがい、口腔ケアといった衛生面にしっかり注意することが重要になると思います。
生活介助の場面では特に、汚染物処理など細心の注意が必要です。排せつ処理、おむつ交換や、トイレ介助、入浴介助など菌やウイルスに接触するリスクは多くあります。
消毒や手袋の着用を、積極的にすすめる職場と意識の低い職場があると聞きます。
病院では考えられないほど不衛生なところや、意識の低い介護事業所もあったりする。
健康状態によって、感染症にかかるリスクは変わってくると思います。ただ、介護する側は、自分が感染症にならないよう注意し、もし感染したら広めないようにしないといけないと思います。
そして、私がいままで携わってきた『健康なからだ作り』も、感染症を防ぐためには重要だと思います。
介護で学ぶ感染症対策とは
① 病原体の排除(感染源を作らない)
② 感染経路の遮断
(菌やウイルスを持ち込まない・拡げない)
③ 体力・抵抗力の向上
それぞれの具体的方法は、たくさんあります。
自分が納得できるものを探して、できることからやってみましょうね。