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介護から見る医療的ケア

医療・看護・介護・福祉。どれも大切だと思いますが、日本にはいろんな法律が複雑に関連していて、わからない事も多いかと思います。実際、私も介護の事を学ぶまでは、こんなにいろんな法律や仕組みがあるのかと驚きました。


日本の医療と福祉制度

介護福祉士制度

介護職とは、利用者の方々への『生活支援』や『身体介助』が主な仕事です。


ただし、その中で避けては通れないのが『医療的ケアのニーズ』への対応です。


できる事と出来ないことがあります。


その辺にちょっと触れてみましょう。


医療的行為とは


医師法17条には

『医師でなければ医業をなしてはならない』

とあります。よく、テレビなどで見る『医師法違反』というのはここですね。


では、なぜ医師でなくてはならないのかは

『医学的判断及び技術をもってするのでなければ、人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為を何回も繰り返して行うという意思を持って行われるもの』

だからだそうです。


つまり危ないから、

経験や技術もないのに人の体をいじってはダメです!ということですね。


これに近いのが、専門的な勉強もせず現場経験もないのに『ワクチンは危険だ!』とか、『コロナは風邪みたいなものだ』とかいう人たちじゃないですかね。マスコミのコメンテーターをふくめて。医者の中でも、専門分野じゃないのに余計なことを言う人もいますからね。『私は専門じゃないので個人的な意見です。』と、ちゃんと言ってほしいですよね。視聴者に誤解を招きますし、知ったような気持ちになるおかしな人も増えます。


鍼灸

ツボ押しだとか、経絡やリンパマッサージだとか、有資格者ならともかく、見よう見まねでやっているような健康食品販売の講師などもいます。


資格があると言われても、資格を認めている団体が正規のものなのかなども含めてちゃんと確かめておかないと、危害を及ぼされたら大変ですからね。


介護的医療的ケアニーズ


服薬補助

もちろん介護職でも、やってよいこととできない事があります。


ちなみに看護師さんは診療の補助として医療行為ができることが、『保健師助産師看護師法』の第5条で認められています。認められる内容も、近年広くなってきています。


医療行為

介護職ができる事できない事がわかりやすく書いてありました。


原則として医行為とみなされないものが、教科書には11項目ありました。

表にはありませんが、『爪切り(爪に疾患が無い場合)』『口腔ケア』『耳垢の除去』『市販の浣腸』などです。ちなみに『軟膏の塗布』は、褥瘡でない場合です。


健康診断

このタイプの血圧測定もできません。

やってよいのは、市販の電子血圧計になります。そして、体温測定も腋窩(脇の下)や皮膚表面、外耳道で測る電子体温計での測定や水銀体温計による腋窩測定に限られます。お尻の穴とか口の中で測るのはNGです。これは看護師じゃないとだめです。


喀痰吸引と経管栄養


医療的ケア

実務者研修で、50時間の講義は受けます。喀痰吸引・経管栄養ともに実技の基本研修を5回以上の実施をしないと認められません。


さらにここから実地研修といって、現場で実際の患者さんに医療行為を行い(実地研修をしている医療機関で)都道府県に申請して認められればやっと『喀痰吸引』『経管栄養』を行うことができるものとなります。(1号・2号研修修了者)

1号2号


1~3

特定の患者さんひとりに行うなら、3号研修修了者というのもあります。

特定の者とは、一人の決まった人という意味で、同じ病気の人なら他人にもできるわけではありません。


誤嚥性肺炎の増加や、フレイルによる栄養状態の低下から、喀痰吸引や経管栄養を必要とする人は増えています。


でも、医療行為ですから普通の老人介護施設ではできないところも多いです。


勝手に経管栄養や喀痰吸引を介護スタッフにさせて、摘発された業者もあります。

今後、施設の選び方や介護業者への監視も重要になってくるでしょうね。


いつも言いますが、自分が利用する側の立場になって考えられることは介護には特に重要です。

提供する側のモラルはとても大切だと思います。






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