1. HOME >
  2. ブログ >
  3. 介護を学ぼう >
  4. 救急救命を学ぶ

ブログ

救急救命を学ぶ

高齢化とともに

日本昏睡スケール

電車の中で気分が悪くなった人を見たり、駅のホームで乗客の救命のための電車の遅延を経験したことはありませんか?

寒暖差が大きくなった時や、猛暑、大寒波などの気候の変化によって体調に変化が起こる事もあります。また、不慮の事故やトラブルによって心停止してしまう事もあります。

高齢化社会では、一見健康そうな人か突然倒れてしまう事も多くなるでしょう。

救命講習

介護職の場合、訪問先や施設の中だけでなく出勤途中や帰宅途中などにそういった場面に遭遇したら率先して救急救命に当たりたいものです。


救急救命とは

救命の連鎖

読んで字のごとく『命を救うための行為』です。

図の通りですが、最も大切なのは『急に倒れないように予防する事』が大事なのですが、倒れてしまったらそれはそれでほったらかしにするわけにはいきませんよね。


最初にやる事は、『いかに気づかないふりをして、その場から立ち去るか』じゃありません。


周囲の安全を確認して

安全確認

道路で倒れていたりしたら、飛び出してこちらまで怪我しては大変です。

まずは、上から何か落ちてこないか、車は来ていないかなどを確認してから相手に近づきます。


周りに助けを求め

AED

緊急を要することが多いでしょうし、医師や看護師などより詳しい人が近くにいたら心強いでしょう。携帯電話くらい持っている人は多いでしょうから119番してもらうとか、AED(自動体外式除細動器)を探してきてもらったりしましょう。

できれば、胸骨圧迫を理解している人が何人かいると助かります。


ためらうことなく応急処置を始めましょう

救急救命は、一刻をあらそうことです。人は、自分のリスクを回避するために誰かがやってくれることを願い、行動することをためらいます。

もし、それが自分の家族だったとしたら。自分が倒れている側だったらどうでしょう。

救急車を呼んでから現場に到着するまでの平均時間は7~8分です。田舎や離島などは別。この時間をどう対処するかでそのあとの状況が大きく変わっていきます。


救命曲線

私たちが行うのは、一次救命処置(ファーストエイド)

心肺蘇生法(胸骨圧迫+人工呼吸)

AEDによる除細動と、心肺機能の状況確認

場合によっては、気道異物の除去(のどに物を詰めてしまった場合など)


正しいやり方を学んで、人命救助に貢献しましょう!


救急隊が来たらすみやかに状況を伝える

日本昏睡スケール

3・3・9 スケール

最初の図です。私のように介護士を目指す方なら、これは覚えておきたいですね。


応急手当てがあった場合、なかった場合に比べて1か月後の社会復帰率は何と約2.1倍だそうです。

救急隊

あとはすみやかに救急隊にお任せできれば良いですね。


野球で8回まで何とか抑えれば、9回にストッパーが締めてくれるような感覚でしょうか。


AEDの誤解

私だけかもしれませんが、『AED』って知識がある人しか使えないものだと思っていませんか?音声案内に従って使用すれば、小学1年生から扱える機械だそうです。

実際に使用体験しましたがすごく簡単。


AED(自動体外式除細動器)って何をするものでしょう?

一時的に、働きがおかしくなった心臓を正常に動かすものです。

止まった心臓をショックで動かすものというわけでは無いようです。簡単に言うと電気を流すことで、けいれんしているような状態の心臓を正常に動かすような仕組みです。

心臓が正常に機能し始めたら良いのですが、動かない場合には胸部圧迫を続けます。

AEDからは、2分おきに電気を流すか胸部圧迫を続けるかなどの指示がでます。

これを救急隊がくるまで続けます。


心肺蘇生や気道異物除去の他にも

★止血 ★固定 ★保温 ★回復体位 ★投薬(ニトロなど)などの悪化防止処置があります。『もうすぐ救急車が来ますよ。』など、不安な気持ちや苦痛の軽減になる声掛けも大事ですね。


講習を受けての後日談ですが、手首があざになったんちゃうかと思うくらい痛くなりました。それくらい胸部圧迫はしっかり圧迫しないと血液は流れません。

自動車学校でも救急救命の授業はあった気がしますが、証明書をもらえる今回の講習は、全然別モノでした。

介護の現場では、本当に死と隣り合わせの人も沢山いるでしょう。

正しい知識と、練習、経験の積み重ねが人の命を守るのでしょうね。



誰もが出来ること

救命講習大阪

救急救命の講習は、各自治体で行われていると思います。

初期のAEDと胸骨圧迫については無料講習で学べますから、今後ご自身のご両親や友人知人、職場やプライベートの交流のなかでも『万が一』の時に備えて学んでみてはいかがでしょうか。



見てる人でなく、できる人へ

今、医師の仕事を看護師にも、看護師の仕事を介護士にもできるように仕組みが変わりつつあります。これは、医師不足・看護師不足の苦肉の策なのかもしれません。


需要に対して、対応できる人材が不足しているわけです。

今後の医療や看護・介護・障害者福祉の充実は、より良い社会を作るために必要不可欠です。高額な医療や介護サービスの提供で一部の人達だけが潤う仕組みでは社会は成り立ちません。

私たち一人一人が、予防や対策など、できることを学び実行することで、身体的にも精神的にも社会的にも健全で良好な生活ができるのではないでしょうか。