認知症の人の心
前回少し触れましたが、認知症への理解は簡単なものではありません。
なった人やそのご家族、介護士や看護師などそれに接する人たちそれぞれの性格やこれまでの生活環境が大きく関係してきます。
常に不安にさらされている
BPSDは、周りが注意すれば予防できるものです。
中核症状を持ちながらも、認知症が悪化しない人もいらっしゃいます。
ただ、これも介護で学んだことと精神科の先生の話では若干ニュアンスが違います。
『せん妄』についてです。上記の表ではせん妄はBPSDとされていますが、精神科の先生の話ではこうです。
認知症患者さんでみられるこのような症状は、医学的にはBPSD(Behavioral Psychological Symptoms of Dementia)と言われ、日本語では、「認知症の行動・心理症状」や「認知症の周辺症状」と訳されます。
ただし、似たような症状である“せん妄”とは異なります。その違いを簡単に言うと、せん妄はBPSDと比べて
①術後や入退院といった環境変化等によって急性に発症する
②1日のなかで症状が変動しやすい(夕方から夜にかけて悪化しやすい)
③症状は一過性で、原因が除去されれば改善する
ということが特徴です。
BPSDは、身体症状の悪化や環境の変化、介護者との関係などによって引き起こされると考えられています。ただし、こういった症状を“問題行動”として否定的に捉えるのではなく、なぜ、そういった症状を呈しているのか、どうしたら改善できるのかといった視点が大切になってきます。
認知症患者さんも一人の人間です。何かその症状を起こしていることには、本人なりの理屈があるはずです。本人の目線に立って、何がBPSDを引き起こしているのかを推察してみると、解決すべき課題が浮かび上がってくることがあります。
認知症になりたくてなる人はいません。また、それを望む家族もいませんよね。
防ぐための努力
正しい知識と技術を身につけることは、認知症による介護や治療のサポートになります。
ご家族の理解があって、介護側の連携が出来ていてはじめて利用者さんの役に立ちます。
そして、大切なのは『認知症にならないため』の環境づくりですね。
家族や友人、知人などとのコミュニケーションが日常の生活の中で取れる事も必要でしょう。
社会福祉とはそうした助け合いや思いやりを体現するものだと思いますけどね。