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医薬品と『くすり』

現代版アヘン

オーバードーズや大麻使用が若い人たちの中に増加していることが問題になっています。
SNSの普及によって様々な情報が流れ、興味本位でこうしたものに手を出さないよう気をつけてほしいですね。お酒やたばこは二十歳からと言われるのと同じような感覚では、命を落としたり人生を台無しにしてしまう恐れがあります。

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アメリカでは『フェンタニル』というオピオイド鎮痛薬と言われる種類の薬から作られた麻薬が問題になっているようです。元々はけしの実から抽出される『アルカロイド』系の成分やそれを合成したものなどが、麻酔のための医薬品として使用されています。
古くは『アヘン』というケシの実の乳液をたばこのように吸入するのが中国で蔓延し、その規制と輸出国であるアメリカやイギリスとの間で起こったのが『アヘン戦争』です。

ケシのみ
今や、その現代版の『アヘン』を輸出する側が中国で、蔓延しているのがアメリカという皮肉な結果になっているそうです。日本では社会的にまだ、『麻薬』に対する認識が欧米に比べ薄いような気がします。喫煙や飲酒に関してもマナーが悪い人たちのイメージか強く、喫煙者やお酒を飲む人を敬遠するような空気もありますよね。
若い頃、背伸びして喫煙や飲酒に興味を持ちましたが、シンナーや覚せい剤は『悪』とはっきり割り切れたのでそちらに踏み込むことはありませんでした。

大麻グミ
今は、そうしたどこまでが良くてどこからがダメなのかと言う線引きが難しくなっている気がします。大麻グミとか、市販薬の過剰摂取などは取り締まりが難しいのか、今後対策が急がれる事案だと思いますね。『くすり』の語源は『奇するものなり』だと私は聞きました。
奇するものとは、手品や奇術のように常識では起こらない事をおこすというような意味です。化学薬品や火薬など飲むもの以外にも『薬』という言葉は使われます。

痛みが楽になるのは良いですが、ぼーっとしたりフラフラする事が気持ちよく感じて、それに依存してしまうようになるというのは危険ですね。ストレスによって不調が続くと、こうした薬に頼ってしまうのかもしれません。『麻薬』ですね。

火薬や化学薬品でも、取扱いには注意しないといけません。医薬品の成分も、使い方によって命を救うものになり、命を奪うものになります。

薬の種類
医薬品の分類も、効果やリスクを基になされています。但し、いくらリスクが低いものであっても使い方を間違うと、危険な場合もあります。薬の使用に関する情報は、正しくわかりやすく発信することが重要だと私は思います。でも、残念ながら現状はそうではないと感じています。

たばことお酒

乾杯 高齢者
では、お酒やたばこはどうでしょう?
違法ではないですが、依存性や有害性はありますよね。一方で、ストレスの緩和やリラックスを促す役割もあるように思います。『睡眠』や『脳神経』の働きにとってはあまりよろしくないですが。

食経験の長い『お酒』には、あまり麻薬のような有害なイメージは無いかもしれません。それでも、アルコールの過剰摂取には依存症や身体への負担などのリスクがあります。

タバコと肺
タバコに関して言えば、やはり呼吸器の病気のリスクを増加させてしまうのでおすすめできません。

やめられない理由

リラックス
人が何かをしたいと思うのは当然の事です。好きなことをしたいし嫌なことはしたくありません。脳の中には『報酬系』という神経があって、好きなことや気持ちのいいことが起こると刺激されます。

達成感
嫌なことを乗り越えて、楽しいことを感じるのは正常ですが、嫌なことを避けてお酒で紛らわせたりするのは依存症につながったりします。
依存症とは脳が、異常な行動に乗っ取られてしまう状態だそうです。麻薬がやめられなくなったり、真面目に働くのが馬鹿馬鹿しくなって、盗みや詐欺などに手を染めるようなものですかね。
最近では、ゲームや携帯への依存もそうだと思います。
携帯依存

『依存』の域に入ってしまわないよう、正しく薬や病気のことを知る事が大切ですね。