便秘の理由を考える
前回は便秘の種類や仕組みを書きました。
ここからは、予防や改善につなげるために便秘の原因について書きたいと思います。
結論から言うと、便秘の原因は一つではありませんし対策が難しいものもあると思います。ただ、原因に『気を付ける』ことや『対策する』だけでも、何もしない人との差が出てくるでしょう。
『ストレス』と便秘
寝不足などの不規則な生活でお通じが悪いとか、旅行先で便が出ないとか、生活環境の変化とか、ストレスによる便秘は多いと思います。
便が出ていない事で、ストレスになっていると気づくかもしれません。
逆に、よく眠れた時にお通じが良くなったり、旅行から帰ったら普通にお通じがあったりする場合もありますよね。
早く気付いて、解消できれば良いですが生活環境などすぐに改善するのが難しい場合もあります。自分なりの『腸のストレス解消法』を見つけましょう。
ストレスを放っておくと。。。
『過敏性腸症候群』と言う病気があります。
下痢や便秘が主な症状で、70~80代は過敏性腸症候群にかかりやすいようです。
過度のストレスによる腹痛や便秘を繰り返すこの病気は国内で1200万人の患者がいます。
社会的ストレスに耐性の無い10代~20代にかけて多いようですが、高齢になると再び増加します。年齢とともに、体力や気力の衰えからストレスにも耐えられなくなってくるのでしょうか。女性の方が男性の1.5倍~2倍くらい多いです。
下痢型
軟便や水様の便が見られ、若年層や男性に比較的多い症状です。緊張すると腹痛や下痢が生じ、「怖くて電車に乗れない」という人も。
便秘型
硬い便、またはウサギのふんのようなコロコロとした形状の便が特徴。ストレスを感じると便秘がひどくなることがあります。
混合型
硬い便と軟便・水様の便を繰り返すほか、下痢をしたり便秘をしたり、便通が変動します。便秘型と合わせて高齢女性に多い症状です。
対策として
善玉菌を増やす食事は意識した方が良いと思います。甘いもののとりすぎや、消化の悪いタンパク質は悪玉菌の増加につながります。
食物繊維も不溶性と水溶性がありますので、上手にバランス良く摂りたいですね。
また、オリゴ糖を多く含む食べ物も善玉菌には良いです。
オリゴ糖は大豆や玉ねぎ、ごぼう、アスパラガスなど、食物繊維はさつまいもや切り干し大根、バナナ、キャベツなどに多く含まれています。
もともと、どんな菌がお腹の中に多いのかに左右されますが、良い事を続けるか悪いことを続けるかで、病気になった時に差が出るのは当然ですよね。
まずは、自分にとって何が良い事で何が悪い事なのか知るところから始めましょう。
先に述べたオリゴ糖の中に、『ラクチュロース』と言うものがあります。
特にお腹の中のビフィズス菌を増加させるのに良いようで、森永乳業さんはこれの研究にも力を入れています。
ラクチュロースは、体内の胃酸や消化酵素では分解されない「難消化性オリゴ糖」のため、そのまま大腸に届き、ビフィズス菌などのエサになります。
体内のビフィズス菌が増えると腸内環境が整うため、便秘改善などにも効果が期待されています。
この他にも、
・便やおならの臭い改善
・下痢や便秘の解消
・免疫力の向上
・栄養の吸収が良くなる
・アレルギー予防に期待
・精神が安定しやすくなる
といった効果が整腸作用により得られると言われているようです。
ラクチュロースの服用により腸内でビフィズス菌が増えると、アンモニアを作る悪玉菌を減らしてくれます。これにより、ビフィズス菌が作る有機酸が腸内で発生したアンモニアを吸収しにくくする、というプラスアルファの効果も発揮します。
血液中のアンモニアを減らしてくれるため、「高アンモニア血症」という肝臓病の方などが陥ってしまいやすい症状を防ぐための医薬品としても利用されています。
参考にどうぞ