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気管カニューレと滅菌

喀痰吸引の中でも、カニューレと言われる呼吸器をつけている場合には、特に注意が必要です。


気管カニューレとは

気管カニューレ

気管切開は、呼吸するための筋力が低下し、自力で十分な呼吸ができなくなったり、自分で喀痰を出せなくなり肺炎を繰り返すなど、様々な原因で実施されます。

気管切開では、声帯の下に位置する気管に手術で孔をあけ、その孔(気管切開孔)に気管カニューレを装着します。



喀痰吸引の注意点

痰 痰の状態

口や鼻から入った空気は、様々な浮遊物や菌・ウイルスなどとともに気管へ運ばれていきます。気管は付着した菌やウイルスを喉頭の方へ押し出します。これが、『痰』になって食道の方へ流れていきます。痰の色や状態観察はとても大切です。


気道

口から気管までの空気の流れる道を『上気道』、気管の下部から気管支、肺、肺胞に至る部分を『下気道』と呼びます。下気道内は基本的に無菌状態です。ここに、肺炎球菌などの悪い菌が入り、増加してしまうと『感染症』が起きてしまいます。


カテーテル

そのため、気管カニューレから直接気管付近の痰を取る喀痰吸引を行う時には、滅菌した手袋や、滅菌した未使用の吸引チューブを使用し、カニューレ内に菌を入れないように注意することが必要となります。



滅菌と殺菌の違い


殺菌滅菌

気管カニューレ内の喀痰吸引には、滅菌手袋や滅菌水、そして滅菌済の吸引用カテーテルを使用します。


最近は、除菌とか抗菌とか殺菌とかその違いが分かりにくいと思う事もありますね。


『滅菌』は、すべての菌を殺して無菌の状態にしたものです。エチレンガスを使用する方法や、高圧蒸気、放射線照射など様々な方法があるようですが、チューブなどはガス注入で滅菌しているようです。未開封で使用期限内のものを使用します。


口腔・鼻腔の時には、殺菌水や消毒アルコールなどを使用しますが、『殺菌』は有害菌を殺す、又は無害にすることなので滅菌ではありません。消毒は、菌を弱めたり繁殖を抑える役割です。


喀痰 看護師

口腔鼻腔での喀痰吸引は、上気道で行います。上気道は普段からいろんな菌が存在します。そのため、菌のほとんどいない下気道で行う気管カニューレでの喀痰吸引ほど感染リスクは高くないということですね。


誤嚥

誤嚥(ごえん)や、インフルエンザ肺炎球菌などによる肺炎は、高齢者や病気で弱った人には命に関わる問題になりかねません。健常者よりも、痰を出す力も免疫力も低下している高齢者や介護が必要な方へのケアには注意しましょう。


油断は禁物です。命を預かる行為ですから、喀痰吸引をやる人だけでなく介護に携わる人たちも良く理解しておくことが大切ですね。




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