医療的なケア
吸引が必要な痰のケアは、医療行為になるため介護職員が行う事はできません。
経管栄養と同じく、介護職員ができるように法改正されましたが、『医師の指示のもと、資格を持った人だけ』が行う事ができます。
どんなに利用者さんが、痰が絡んで辛そうでも、資格がなければ痰をとってあげることは基本的にできないわけです。
私達は、生きていくためにいろんなものが必要になります。栄養、水、そして空気から取り入れる酸素。不足すると短時間で命に関わるものが酸素です。私達は、肺から酸素を取り入れる事で全身に酸素を送っています。
痰が絡み、肺に悪い菌が入って炎症を起こしてしまうことは命に関わります。ましてや、体力の低下した高齢者になれば、そのリスクはすごく高くなります。
その為、気管に関するケアは『感染症』と言うリスクをいかに防ぐか。
実習の内容を踏まえて進めていきたいと思います。
喀痰吸引とは
口腔内(鼻腔内)喀痰吸引とは、口腔・鼻腔から咽頭までに残った痰などを、吸引装置と吸引カテーテルを用いて体外に吸い出すことを言います。
介護士が喀痰吸引の資格を取る場合、『医療的ケア』としての喀痰吸引なので、口腔内吸引の場合、咽頭の手前までの吸引を行います。
また、鼻腔内吸引を行う場合は、鼻腔の奥の毛細血管が集中している場所(キーゼルバッハ部位)より手前まで(耳たぶから口までくらいの長さ)の吸引を行います。
体の中は、とてもデリケートで出血や傷の他に、チューブを奥まで入れすぎたことが原因で迷走神経が刺激されて、呼吸困難や心臓麻痺を起してしまう可能性もあります。
吸引時間も、大体10~15秒くらいを一回の目安にします。取りきれなければ、少し時間をおいて利用者さんの状態を見ながら再度行います。
手順としては、
医師の指示書をみて、利用者の氏名や吸引方法(口腔・鼻腔・カニューレ)と吸引圧を確認します。
物品の汚れが無いか、吸引器が正常に動くかを確認して利用者さんへのケアの説明と吸引準備を始めます。
利用者さんの
②呼吸状態は安定しているか
③鼻腔や口腔内を傷つけていないか
④痰の取り残しは無いか
⑤痰の絡んだような呼吸になっていないか
⑥呼吸が楽になっているか
※鼻からの吸引の場合、鼻の奥に傷がついて口腔内に血液の流れ込みがないかなども注意して観察します。
という状態観察をし、
取った痰が細菌などが混じった黄色っぽい色になっていないか、粘りやかたまりが出ていないかなどを廃液で観察します。
吸引チューブなどの物品は、感染を起こさないように仕様前の清潔チェック、使用後の洗浄確認を忘れずに行います。
また、手袋の着脱の仕方、手洗いの仕方(6か所手洗い)なども基本に忠実に行うようにします。
ケアが終わったら、看護師に吸引物や利用者の状態を報告します。
そして、ヒヤリハットやアクシデントがあれば一緒に報告します。
吸引器の廃液が溜まっていれば廃棄したり、使用物品の交換や片づけをしてから、ケアの実施の証明と今後のケアプランに活用できるように5W1Hで報告をあげます。
この一連の手順を、実務者研修の学校で学びます。
それでも、学科が免除されるだけで現場研修を規定の回数行わないと喀痰吸引の資格は取れません。今後、できれば喀痰吸引や経管栄養を行えるよう資格を取得したいと思っています。一つでも多く介護の仕事に携われるように、資格についても、もっといろいろと知りたいと思います。