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痒みはなぜ起こる

ドライスキンとは

肌が乾燥すると痒くなるというのはよく聞く話ですね

高齢者介護においても、利用者さんからかゆみの訴えがあったり陰部や背中などを掻きむしる方もいらっしゃいます。かゆみや皮膚のトラブルの原因も様々ですがこの季節、『ドライスキン』はかゆみの原因の代表的なものとなりますね。適切なケアをしないと、かゆみが悪化してQOLの低下にもつながるため注意が必要です。

製薬メーカーのサイトでわかりやすく書いてあったので、そちらを参考に書きたいと思います。

ドライスキンとは

ドライスキン2
ドライスキンとは皮膚の乾燥のことを言います。お肌カサカサになって水分量が減少した状態です。お肌(角質層と言います)の水分バランスは、汗、不感蒸泄(肌や息から水分が失われること)、湿度や、肌に水分を保持する力(保湿能)によって保たれています。
空気の感想だけでなく加齢、低栄養などは保湿能低下の要因となり、療養生活環境なども影響します。ドライスキンは、お風呂で洗身時に使用するタオル類の材質や、過度な洗浄(ゴシゴシこすりすぎたり熱いお湯の刺激など)、エアコンによる乾燥などによっても起こります。

【皮脂欠乏性皮膚炎】

加齢や誤った入浴習慣などでドライスキンがあり、掻破する(掻く擦る)ことにより湿疹化します。
高齢者の下腿に多く見られ、加齢とともに増加し、特に冬季に好発します。
ドライスキン

☆スキンケアのポイント
熱い湯温を控え(38度〜40度程度)、洗身時はナイロンタオルなどで直接擦らず、よく泡立てた石鹸を手で優しく肌に付けて洗浄します。ナイロンタオルで泡立てて泡だけ付けても良いと思います。
タオルで泡
入浴後は保湿と水分摂取も大切です。ドライスキンの予防には、保湿剤を用いた毎日のスキンケアが重要です。ワセリンやプロペト・ローションなどを使って入浴後早く塗布したいですね。
ワセリンとプロペト

保湿剤には、皮膚表面に油性の膜をつくり水分蒸発を防ぐエモリエントと、角質層に水分を与えるモイスチャライザーがあるので、利用者に合わせたケアを介護士と看護師で連携して行うと良いと思います。
●エモリエントは、白色ワセリン、オリーブ・椿オイルなどがあり、皮膚を覆うことで表皮に油脂膜をつくり体内からの水分の蒸発を防ぎ、角質層を柔らかくする作用を持っています。
●モイスチャライザーは、尿素クリームやヘパリン類似物質、コラーゲン、乳酸、アミノ酸、ヒアルロン酸などがあり、湿潤剤を含むことで、加齢で減少した保湿成分を補い、保湿作用を発揮します。


エモリエントとモイスチャー

どちらもまず、肌を清潔な状態にして塗布するように心がけましょう。特に足や腕など塗りやすい場所だけでなく、陰部付近や背中などを利用者さんは掻くことが多いので、かぶれや傷が無いかも注意して見ておきましょう。


痒みの種類

ここまで、『ドライスキン』について書きましたが、これからの季節花粉症による目のかゆみや、ストレスやアトピー、病気によるかゆみなど様々な『かゆみ』はありますよね。


掻きすぎ
かゆみを感じると、ついつい掻いてしまいます。掻くと気持ちが良いし、ひりひりするまで掻いてしまえば、しつこいかゆみから一時的に逃れることができます。知らないうちに掻くのがくせになっている人もいますよね。
 しかし、強く掻くと皮膚のバリア機能が低下してしまいますし、皮膚から水分が失われることで乾燥肌になります。そしてバリア機能の弱まった皮膚からは、アレルギー反応を引き起こすアレルゲンや菌などが体内に入りやすくなり、衣服のこすれなどのちょっとした刺激によってもかゆみ神経を刺激することでますますかゆくなります。
 また、かゆいところを掻くと皮膚に存在する細胞から炎症を促すさまざまな物質やかゆみの神経にはたらく物質が放出されて、結果的に皮膚炎がさらに悪化し、かゆみも強くなります。
 いったん掻き始めると、そのまわりの皮膚もかゆくなったりします。すると、もともとかゆかった場所よりも広い範囲を掻いてしまい、皮膚のダメージは広がり、皮膚炎はどんどん悪化します。例えば、アトピー性皮膚炎の患者さんのしつこいかゆみは、この『かゆみの悪循環』が原因であると考えられています。
かゆみの悪循環

痒みとヒスタミン
このかゆみには神経とヒスタミンというのが関係しています。またの機会に詳しく書きたいですね。
かゆみの対策としては、『冷やす』『乾燥させない』『掻かない』が大事だと思います。
あとは、掻くと炎症が起きますから早く炎症を抑え皮膚や神経の状態を正常に戻すことが大切ですね。人には本来自分で修復する機能が備わっているのですが、その機能が未熟な子供や衰えた高齢者に痒みのトラブルは多いように感じます。

痒みの原因を正しく理解して、早めに対策することが大切ですね



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